折形デザイン研究所

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仕事+その他 展覧会 MUJI FRANCS BOURGEOIS TSUKUROU

MUJI FRANCS BOURGEOIS TSUKUROU
今年、折形デザイン研究所で企画をしました器と布の「繕う」展を MUJI France Bourgeis 店のリニューアルオープンにあわせて展示することになりました。
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繕う/TSUKUROU:RÈPARER
BRICOLAGE

器はぶつけたり、落としたりして割れてしまった。布も引っ掛けたり、擦り切れたりして破れている。 繕いは、貧しさからであったり、ものを大切にする愛着のこころから生みだされたものだ。 そこには、偶然に起きた出来事から生まれた意図しなかった線や形が残されている。割れたり、破れたりした負の出来事の痕跡は、目立たないようにしたり、取り繕ったりしがちだが、そのはからいを超えた思わぬ線や形を積極的に肯定し、美を見出していく傾向が日本人にはあるらしい。その美意識の根底には、東洋の「相即の思想」や仏教の「即非の論理」とが働いているのかもしれない。それは難しい考え方ではなく、「良いことも悪いことも一緒」ということだ。二項を対立ではなく、同じものと見る見方である。だから、割れて繕われた器の線はあからさまに見えるように金で繕い、破れた布はありあわせの布で繕われ、矛盾をありのままに受け入れている。 この展示物は、日本ばかりではなく西洋のものも含み、繕うことは日本人の特殊な美意識だけではなく普遍性を持ったものであることを示しているだろう。 そして、この繕うという生活の技術が、実は生活化された思想であったり、美術の生活化であるという点が今日的で極めて重要なことだとも考えている。  
山口信博(グラフィック・デザイナー)

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